病気になる②
目を覚ました僕の体は目が動くだけ。
首だけ動きそうだけどすごく痛くて酷く寝違えている様だった。
腕には点滴がささっていた。
鼻には管が入っていた。
喉には穴が開いて機械が繋がっていた。
おしっこの管も入っていた。
指と胸にもセンサーみたいなものが貼っていて心電図モニタの様なものがおいてあった。
先生が来て
脳にウィルスが入って髄膜炎になったと教えてくれた。
なにか大変なことが起こったのだろうと思ったけど、脳がダメージを受けていたせいか深く考えることもできなかった。
それから3月まではご飯は食べられず鼻から栄養を注入した。
喉に穴が空いているので声も出ない。
体も動かない。なにかあったらナースコールを押してくださいって言われても、どこにあるかわからないし、届かないし、声も出ない。
毎日何時間もかけて点滴をしてた。
生きているだけだった。
生きているのかもよくわからなかった。
体の感覚も時間の感覚もわからなかった。
メガネをかけないと1メートル先の人の顔もわからないほど視力が悪いのに、3か月間メガネもかけていなかったらしい。
地獄の始まりだった。